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百日紅

百日紅 (上) (ちくま文庫)百日紅 (上) (ちくま文庫)
(1996/12)
杉浦 日向子

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今回紹介するのは、杉浦日向子先生の「百日紅」(ちくま文庫 全2巻)です。

「百日紅(さるすべり)」は葛飾北斎と娘のお栄、そして居候の善次郎を中心とした江戸の風俗を描いた漫画です。今回はそのうちの1話「ほうき」のあらすじを書いてみたいと思います。

経師屋の爺が今朝亡くなり、その倅が親父の顔を北斎先生に写してもらいたいと頼んでくる。興味を持った北斎は絵を描きに出かけていくが…

描いているうちに死体が動き出す。北斎は「ままよ」といってそのまま絵を描き続けるが、見つめれば見つめ返し、北斎が動く通りに相手も動く。

何とか絵を描く北斎だったが、対処法を忘れてしまい、お栄に助けを求める。お栄はホウキ草のホウキを持ってきて屍を叩いて鎮める。

北斎は「手がしびれちまった」と言い、家にホウキを「まじないよ」といって立て掛ける。



「ほうき」で描かれているのは走屍(そうし)といって、死人に魔がさして動き出したもののことです。逃げれば必ず追ってくると言われているため、この話の中で北斎はそのまま絵を描き続けたのでしょう。

「百日紅」は北斎を中心とした絵師の物語ですが、江戸の風俗や庶民の生活についてもリアルに描かれていて面白いです。

それにしてもなぜタイトルが「百日紅」なのでしょうか。杉浦先生は、「散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」という江戸の女流歌人、加賀千代女の句を挙げて説明しています。

百日紅の花は、梅雨明け頃から咲き始め、わさわさと散り、もりもりと咲くのを秋まで繰り返します。杉浦先生はこの百日紅のしたたかさに江戸の浮世絵師がかぶり、このタイトルにしたと説明しています。

確かに、作中の北斎は、頑固で好奇心旺盛で粋な人物です。つまらない役人の仕事は何両積まれても受けないし、上記の「ほうき」のように面白そうなことがあれば自分から積極的に出向いていきます。

杉浦先生は江戸風俗研究家でもあるため、時代構成も素晴らしく、読んでいて説得力がありますね。「百日紅」には男女の色恋、北斎のライバル歌川豊国の弟子たちとの話、あやかしの類の話、など様々なジャンルのストーリーが織り込まれていて楽しめます。

杉浦日向子先生は病のために若くして亡くなられてしまいましたが、長生きしていればもっとたくさんの面白い江戸漫画が読たかもしれませんね。そう考えると残念でなりませんが、「百日紅」をはじめ、残された作品を楽しみましょう。

杉浦作品を読んだことのない方は、この奇才、葛飾北斎の物語を読んでみてはいかがでしょうか。
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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

tag : 杉浦日向子

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